純銅(ピュアカッパー)の特徴 – ノースヒルズ溶接工業

純銅(ピュアカッパー)の特徴

水曜日, 7月 17th, 2024 reseed-s

C1020

銅(Cu)99.96%以上含む高純度銅で、電気および熱の伝導性が非常に高い。ろう付け性、深絞り加工性にも優れている。また、溶接性、耐食性、耐候性も非常に良好である。この銅は、含有酸素量が0.001%以下であるため、「水素脆化」のリスクがほとんどなく、信頼性の高い材料として広く認識されている。これにより、電気機器や化学工業用途、特に高温・高圧環境下での使用が求められる応用に適している。

「水素脆化」とは、高温環境下で銅中の酸化銅が還元される際に水蒸気が発生し、その内部圧力により微細なクラックが生成され、材料が脆化する現象である。この現象は、高純度の銅材において、酸素含有量を極限まで低減することによって回避される。

 

C1100

銅(Cu)99.90%以上、酸素(O2)0.02~0.05%を含む材料は、卓越した電気伝導性および熱伝導性(伝導率はほぼ100%)を持ち、さらに優れた塑性加工性、耐食性、耐候性を有する。この特性により、電線や電気機器用の材料として広く使用されている。ただし、「水素脆化」に注意する必要がある。「水素脆化」とは、還元性のガス環境下で400℃以上に加熱されると、銅中の酸化銅が還元されて水蒸気が発生し、その内部圧力により微細なクラックが生成され、銅が脆化する現象を指す。この現象は、特に高温環境下での使用時に考慮すべき重要なポイントである。

 

C1220

C1220は、銅(Cu)を99.90%以上、りん(P)を0.015~0.040%含む高純度の銅合金である。この材料は、酸素含有量が非常に少ないため、高温環境下でも水素脆化が発生するリスクがほとんどない。これは、りんの添加によって酸化銅の形成が抑制されるためである。その結果、C1220は優れた耐食性と耐候性を持ち、長期間にわたって腐食や環境劣化に対する耐久性を発揮する。
さらに、この合金は高い塑性加工性を持ち、深絞り加工などの複雑な加工にも対応可能である。これにより、さまざまな形状に成形できるため、用途が広がる。また、熱伝導性も非常に高く、りんの添加によって熱伝導率は約80%に低下するものの、依然として効果的な熱伝導を保っている。
これらの特性により、C1220は風呂釜や屋根板などの用途に広く使用されている。風呂釜では、優れた耐食性と熱伝導性により高い信頼性を提供し、屋根板では、耐候性と加工性の高さから長期間にわたって安定した性能を発揮する。